【映画 】天気の子を観たネタバレ感想 帆高の自己中行動は監督のメッセージ!?

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驚異的ヒットとなった『君の名は』の新海誠監督最新作、『天気の子』を観ました。

”『君の名は』より良くない”

”ストーリーがひどい”

”良いのは映像と曲だけ”

”声優に豪華俳優陣が揃ってるのにもったいない”

など、悪い口コミが目立っていました。

 

私は『ヒット作品だから』という理由で、wowwowで観たのですが、悪い口コミに同感です。

ストーリーに全く共感できない!主人公の帆高がカスすぎる!!

 

だけど帆高の自己中キャラは、私たち自身でもあるんじゃないかな。

監督がこの映画で本当に伝えたかったのは、純愛物語でもなく、東京の冷酷さでもなく、童貞卒業白書でもない。

「自己中な人間たちが地球の環境を破壊しているぞ!」と、グレタさんばりのメッセージを映画に込めたのだと解釈しました。

天気の子のストーリーが”ひどい”と思う理由

内容が簡単で観やすさはありますがストーリーの矛盾、キャラクターの不思議が多すぎて感情移入がなかなかできませんでした。

ファンタジー映画なので、超常現象や時空を超えるのは範囲内です。

だからこそ、他は共感できるストーリーじゃないと、ドラマ性がなくなってしまうんですよね。

 

引っかかる細かい矛盾は

  • ゴミ箱の銃はヤクザではなく警察のもの。警官が銃を手放すのは厳しく罰せられるはず、帆高から銃を取り戻すだけで、世間にこのことがバレないよう穏便に済ますのではないか?
  • 凪は私立小学校に通ってるのか?あんなにひっ迫した生活していて、そこにお金をかける意味がわからない
  • 東京を冷酷に描きすぎ。東京にも優しい人はたくさんいる
  • 発砲、脱走、家出、警察官への暴力など、罪を犯した帆高への処分が甘すぎる

 

まあ、ここは物語を面白くするための過剰表現だったり、細かいディテールは時間上、はしょったとしてなんとか飲み込みます。

でもでも、メインキャラクターの設定がひどすぎて全く共感できませんでした。

帆高がクソ

16歳の少年、帆高はこの物語の主人公。

理由は不明だが、嫌なことがあって田舎から東京へと家出する。

上京する時の帆高は顔に傷があるので、誰かに殴られたと思われる。

「家に帰りたくない」と言っていたから、親が暴力をふるった可能性も・・・

だけど、警察に保護された後すんなり家に戻ってるということは、仮に家族が暴力をふるったとしても虐待行為とは認められなかったことになる。虐待されていたのなら、帆高は家に帰らず施設に入るだろう。

 

そう考えると、帆高の家出原因なんて大したことないのよ。

嫌なことがあって、逃げ出しただけの思春期真っ只中野郎。

親がどんな気持ちで怒ったのかは考えもしない。自分がされたことだけに視点をおき、「俺って不幸だ」と悲劇に酔いしれてるだけで同情の余地はない。

 

家出原因は、中学生、高校生なら世間に対して怒りを覚えることも沢山あるだろうし、反発するのは自我がある証拠だから良しとしよう。

そうやって100歩譲っても、帆高になんの同情も魅力も感じない1番の原因は、自分勝手すぎるところ。そして衝動的で一緒にいるには怖すぎる。

 

この物語で陽菜と凪がトラブルに巻き込まれたのは、帆高のせい。

家出少年で、銃を発砲して警察に追われる立場なんだったら、人様に迷惑かけてはいけないと思うものじゃない?だけど帆高は陽菜たちのみならず、須賀や夏美も巻き込む。

さらには、「それでも会いたいんだ〜!」と、恋路を邪魔するものには容赦無く威嚇発砲。

恩人でもある須賀に当たったらどうするんだ?

普通の神経なら、一度発砲してしまったことに何らかの罪悪感や恐怖心を持って、銃を握ることすら怖くなると思うんだが・・・

帆高はテンション上がっちゃうと後先考えられないのよ。怖っっ!!

 

こんな自己中くんだから、最後は東京の天気がどうなっても良い!と陽菜を連れ戻しに行く。

で、吐いたセリフが「俺たち東京変えちゃったな

え!!何?革命者気取り??∑(゚Д゚)

 

雨が降り続き沈没する東京。

作物もうまく育たないし、経済効果考えると、1人の少年の童貞白書のツケにしてはデカすぎる。

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陽菜と凪が優しすぎる

帆高は全てが自己中なのではなく、優しいところもある。

だけど、窮地に追い込まれると自己の欲望を優先させちゃう。

 

こういう男性に出会った時、私なら警戒して少しずつフェードアウトするけど、陽菜はガッツリ親交を深めちゃう。

  • いくら自分を守るためでも、発砲する男はヤバくないか!?
  • 帆高を好きでも、弟と一緒に暮らせなくなること考えたら、帆高に近寄るのをやめないか!?
  • 自分が犠牲になって人柱になれば、弟たちも平和に暮らせる。そう思ったら、帆高が天に来ても追い返すな。私なら。

 

主人公である帆高同様、ヒロインである陽菜とも思考が違いすぎて、感情移入ができませんでした。

監督のメッセージ!?帆高の自己中は私たちに通ずるところがある

小中学生なら共感どころもあって、楽しめるかもしれないけど、酸いも甘いも知ったオバちゃんが見る映画ではないと思いましたねぇ〜。

でもね、見終わった後にこの映画について考えてみたんです。

なぜ、こんなに帆高を自己中な愛されないキャラに設定したのか。。。

 

自己中な部分はみんな持っていて、それをどれだけ出すか出さないかで、好かれる人にも嫌われる人にもなる。

自己中な性格を出す時は、自分の欲望を何よりも優先させたいと思った時です。

帆高は『陽菜が好き。もう会えなくなるなんて嫌だ!』という思いで、晴れる日がなくなるというリスク覚悟で行動した。だけど、そのリスクについてはあまり考えてなかったよね。

 

現実世界でも異常気象が毎年騒がれていて、巨大ハリケーンや、ゲリラ豪雨などの被害も受けています。

異常気象は、地球の温暖化が原因と言われてますよね。

地球が温暖化すると自分たちの生活に支障が出るとわかっているのに、人々は自分の欲のために地球温暖化をストップさせることをしません。

エアコンの温度設定を意識するだけでも、温暖化を防げるのに「28度設定じゃあ暑いから。汗かきたくない」という理由で、温度をもっと下げたり。

水を出しっぱなしにしない。なるべく公共機関を使うようにする。買い物はマイバッグを利用する。などなど、温暖化を防ぐためにできることはあるのに、そこに自分の欲が絡むと出来ることでも出来なくなってしまうこともありますよね。

 

帆高を自己中で嫌な奴だと思ったなら、自分はどうなのか振り返るべきなんだと思いました。

「俺たち東京を変えちゃったな」は「私たちがこのまま環境のことを考えない行動をすると、世界を変えちゃうかもよ」のメッセージなんじゃないかな。

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天気の子を観た感想

新海誠ファンは満足する映画ではないでしょうか。

映像がホント綺麗で、聖地巡礼したくなるスポットもたくさん出てきます。

音楽は引き続きRADWIMPSだし、『君の名は』の世界観を壊していません。

声優人も小栗旬、本田翼、倍賞千恵子など豪華な俳優揃い。刑事役の平泉成は笑っちゃうほど平泉成ですww

 

帆高はクソだし、陽菜の優しすぎる性格に共感ができなかったけど、帆高が陽菜を連れ戻すシーンには涙しました。

あんなに、真っ直ぐに人を好きになれる経験をするって、とても素敵なことですね。

人を犠牲にすることなく陽菜を助けられたら、もうちょっと帆高の株が上がったんだけどな。

あの「俺たち東京変えちゃった」のドヤったセリフで、やっぱり帆高を最後まで好きになれませんでした。

 

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